破壊衝動

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 最初からこうすればよかったんだ。なんて手の中にあるものを眺めて思う。  私を壊してもらうのが嫌なら、壊しちゃえばいいんだって。  何度も何度も小説で読んだような結末、それを今実践しようとしている私が滑稽に思えてならない。  こうやって色々な人が好きな本の作者に迷惑をかけているんだな、なんて少しばかり白々しいのかもしれない。  ほんの少しだけ刃物を持った手が震える。
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