少年よ。

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   サア、剣ヲ持テ。  サア、刃ヲ向ケロ。  己ガ敵ヲ、滅セヨ!  ──飛び散る鮮血は最早誰のモノか判断出来ず、辺り一面に赤い雨を降らせる。自分にも降り掛かるそれを拭う動作もみせる事なく、幼き少年は佇んだ。  周りには多数の屍。  月明かりを反射してキラキラと輝く銀髪に良く映える赤い血を浴びた、少年の手に持っているもの……まだ新しい血で濡れ、鈍い輝きを放つ剣。少年はそれを強く、握り締めた。  黒よりも深い蒼きその瞳に、狂喜を含ませて笑いながら。 「ハハ……ハハハッ、アァッハハハハハッ!!!!」  片手を額に、剣を持ったままの片手を腹にあて、前屈みになりながら少年は笑い続ける。少年と屍だけが残る空間には、  笑っていて  泣いている  幼き声だけが響いた。 (終わった……終わったんだよ。だからもう……良いだろう?  オレはもう、)  刃ヲ向ケテ、  敵ヲ滅シタ。  役目ヲ終エタナラ  罪深キ己ノ存在、  消シテシマエバ良イ。
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