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ようやく看板を見つけ、ホッとする間もなく、改札口まで走りぬけた。
走りながら、キャリーを小脇に抱え直し、ポケットから切符を取出し握りしめた。
『京都行き、6:32発の乗り場どこですか??!』
早口で駅員さんに尋ねた。
これで乗り場が遠ければ完全にアウトだ。
『ここ上がって。8番ホームです。』
どうやら一番近い場所に出たらしい☆
ラッキー!!!
と、再び電話が鳴った。
列車がホームに着いたという。
春美も気が気でないのだろう。
口調がかなり焦っている。
階段を駆け上がりながら、叫んだ。
『あたしも着いたっっ!!とりあえず乗って!!』
青春18切符☆二人旅…
あろうことか、二人は顔を合わせないままスタートを切ったのだった。
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