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19:00 大分港出港…
船内アナウンスが、響き渡り出港を知らせる。
と同時に、岸から離れて行く船。
幾人かの見送りに向かって、ちぎれんばかりに手を振る無邪気な子供達。
耳元で声はするのに、少しずつ二人の距離は広がり、淋しさを堪えきれない恋人達。
日常から解放される嬉しさに、魚釣りの最中の知らないおじさんに向かって、つい手を振ってしまう旅人達。
船体はゆっくりと旋回を始め、
真っすぐ前を見つめ、港を背にする。
いつも胸を掠める旅立ちの期待と不安。
そしてちょっぴり淋しさを抱えつつ、
離れてゆく岸壁を、
見慣れた大分の風景を…、
別府に輝くネオンの星粒を見送りながら、
無口な相棒と二人きり…。
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