かちん、かちん、と世界が回る

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気だるい朝のSTを経て、うだつのあがらない一時間目を難なくスルーして、休み時間に突入する。 するとまた台風のように騒がしい奴が再来してきた。 「噂の転校生見に行こや。早よう行かな見られんよ」 「ダルい」 俺様は健一郎に引きずられるように……というか引きずられて教室を後にした。 廊下に出るとすぐに隣のクラスの状況が丸見えになった。壁には蟻のようにワラワラと男子生徒が群がっている。 見知った顔もあれば、上級生ですら群列に参加しているではないか。 しばし諦めムードの俺様を引きずるように健一郎は群列の中へと割入った。 足を踏まれるは、顔を殴られるは、何者かにケツを触られるは、非常にムカついて来た。 ……あっ!! キレた。 「テメェ等ブチ壊すぞゴラ。鬱陶しいんだよ糞軟弱ヲタク共がテメェ等は蟻か? ゴミ虫か? 気持ち悪いんだよ。消え去れ。俺様の前から消えて無くなれウジ虫共め!!」 俺様の罵声の嵐に一瞬、世界が凍り付いた。回りでざわついていた奴らが一斉に静かになった。 健一郎がニヤニヤと笑いながらこちらを見ている。全ては健一郎の作戦通りというわけか。 嫌がる俺様を連れてきて、キレさせれば群列が止まる作戦だ。
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