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「テメェだって噂の転校生見に来たんじゃないのかよ」
誰かがそう言った。妙に静かな空間だったので俺様の耳には良く届いた。
あぁ……青春の学生時代よサヨウナラ。
「今言った奴。出てこい。俺様直々にぶっ壊してやる」
この喧嘩を見ていた人達の話によると『彼の背後に鬼が見えた』と語る。
「上等だコラ。俺が言ったんフェバブェブァ」
名乗り出てきた人物へ目掛けて、俺様の黄金の右ストレートが炸裂。まだ話している途中だが弾け飛ぶ名も無き雑魚が痛々しい。
その一瞬の出来事に群集の開いた口が閉まらない。僅か3秒の出来事だった。
「他に喧嘩売る奴はいねーのか?」
俺様の一言に、壁の前に群がっていた群集は蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。
「相変わらず喧嘩っ早いなぁ。そんなんやからアンさん恐がられるんや」
「誰のせいで、喧嘩させられたんだ? あぁん?」
「そんな事より、B組のみんな固まってんで?」
「知らん。俺様不愉快だ。2時間目からフケるからよろしく」
俺様は喧嘩の発端になった噂の美人転校生を一目も見ることなく、その場を立ち去った。
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