51人が本棚に入れています
本棚に追加
いったい何時間寝ていたのだろうか。不幸にも携帯は教室に置きっぱなし、屋上に時計はない。
よって現在の時間を知る方法すらない。ただ分かるのは空が黄昏色に染まっていることだけ。
「やべー寝過ぎた」
俺様は気だるい体を起こして、欠伸をしながら背伸びする。ポキポキと骨が鳴る音から寝過ぎた事が良く分かる。
屋上の扉を開いて、夕焼け空を惜しみながらも、自分の鞄を取りに教室へ行かなければならないのを思い出して、舌打ちする。
糞ダルい、そう思いながらも教室へ向かう。校舎の中は人気もなく、部活動に残っている生徒しかいない。
静かで、授業がある時とは正反対の二面性を見せる。響くのは俺様のコツコツという足音だけ。
最初のコメントを投稿しよう!