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A組に行くにはB組の前を通らなければならない。そう考えていると俺様はふと思ったんだ。
そういえば結局、超絶美人な転校生を見てないなと……。
くだらない。雑念を振り払って、俺様はふふっと笑う。
考えてみれば、今日会えなくても明日になれば必然的に会うことが出来るかもしれない。
確かに謎の美人転校生のおかげで俺様は啖呵(タンカ)をキラされた。さらに派手に暴れる引き金にもなった。
でもその出来事は彼女には関係の無いことで、彼女に罪はない。アソコに居たのが偶々、俺様で、喧嘩したのも偶々。
誰を恨むでもなく、これは仕方ない事で必然だったのだ。
我ながら意味の分からない事で悶々としている自分が馬鹿らしい。
俺様がB組の前にさしかかった時、黄昏色に染まる空に反するような影が目に入った。
B組のドアが開いている。さらに誰か教室にいるみたいだ。
まぁ誰が教室にいようと別に俺様には関係ないし、学校だから誰がいようとおかしくはない。
そう考えて俺様はB組を覗き込むでもなく、そのままA組へ向かった。
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