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気持ち悪い健一郎ことクソ虫を放置して、俺様は当初の目的通り、鞄を拾って帰路へと着こうとしていた。
A組の扉付近でクソ虫を虐め……改め、クソ虫と遊んでいると耳をつんざくような悲鳴が聞こえてきた。
「いやぁぁぁぁ」
誰が叫んでいるのかは分からないが、かなり緊迫した雰囲気な叫び声だったと思う。
「面倒くさいな」
「そうやな帰るか?」
従来の主人公達のように『助けに行かないと!!』とか『今の聞いたか?』とかありきたりな事は言いません。
だって面倒に巻き込まれるのはもう沢山だ。仮に女子であろうと助け舟なら他の誰かが出してくれるさ。
「帰るとするか」
「帰ろ帰ろ」
俺様達は何も聞いていなかったかのように悲鳴や叫び声に対しては無反応で、校舎を出ようと廊下を歩き出す。
何気なくB組を覗き込む俺様達。
そして見てしまった。俺様は知ってしまった。事件はすぐ隣のB組で起こっていた事を……。
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