俺様 執事です

喧嘩はお好きですか？

「なぁ健一郎……それどう思う？」

「どう思うもなにも、言うことが見つからんわ」

俺様が言った“それ”とはまさにびっくりな状況なのである。

先ほど、俺様は黄昏色に染まった教室内に影を見たな。どうやらその影が問題だったらしい。

簡単に説明するならば数人の男子生徒が一人の女子生徒の前で土下座をしている。

もう少し複雑に言うならば、数人の男子生徒は体育会系の生徒ばかりで、女子生徒は何の変哲もない普通の女子である。

今まで薄暗かった教室の電気が鮮やかに点灯する。どうやら俺様達の存在に気付いたみたいだな。

逃げる動作へ移行しようとする動作に対するタイムラグを見計らったかのように俺様達は何者かに背後から教室へと押し込まれた。

とっさの出来事に上手く反応出来ないでいたが、慌てて逃げようとする。しかし教室の扉は何者かによって固く閉ざされてしまった。