持てる者と持たざる者

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俺様とさっきから言っているのが、そう今作の主人公の北斗炎馬。 周りからは格好良いだとか、イケメンとか言われるんだが俺様からしたらどうでも良い。 俺様は只の苦労人だから……。 そもそも小学生の時の俺様はこんなに苦労人ではなかった筈だ。中学に入った時……不幸にも俺様は両親を失った。 死因は事故による即死。まったく予期せぬ事態に俺様自身も動揺を隠せずに泣いた。 そしてあの日から俺様は変わるしかなかったのだ。今まで通りの優しい兄貴だとか、甘えん坊だとか、そんなモノは切り捨てるしかない状況に陥ってしまったんだ。 俺様には一歳年下の妹と五歳離れた弟がいる。兄弟達はみんな小さくて、死をまともに分かってはいなかった。 両親の死後は祖父の家へ行ったが、ちょっとしたトラブルがあって俺様は家を飛び出した。 もうすぐ中学校を卒業する自分なら1人でも平気だと思い、1人暮らしをすることを選んだ。 無論、兄弟も一緒に引き連れて家を出ることを望んでいた。 勿論、中学生の子供はバイトが出来ないので資金だけが通帳に刻まれる。その資金で俺様はアパートを借りて生活している。 時は巡り、いつしか俺様は高校生になった。
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