かちん、かちん、と世界が回る

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俺様が通う高校……聖凪高校(セイナギ)は一般の県立の普通学科である。 就職よりも進学を優位としているから、それなりに高い学力を必要としている。 勿論、俺様は受かった。ギリギリ最下位辺りで合格したらしい。 新入生として生活して来たが、俺様達が入学してから1ヶ月は経っているので、なかなか学校の規律や制度には馴染みつつある。 校門をくぐった俺様と健一郎に近づいてくる女子生徒がいた。 「おはよー北斗君。それにゴミ虫もね」 「おはよう。えっと……そうだ、花川さん」 俺様は名前を忘れる訳ではない。ただ思い出せないか、聞いていないだけだ。 うん。断じて健一郎の事も忘れていた訳ではない。ただ思い出せなかっただけだ。 話はそれたが、この女子生徒は花川 夏樹(ハナカワ ナツキ)。 陸上部に所属しているからか、彼女からハツラツとしたオーラを漂わせている。無駄な脂肪など付いてないし、身長もそれなりに高めである。 一応、高校で出会った筈だが、妙に健一郎の扱いだけが悪い。
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