鳴り響いた携帯電話

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2006年初夏━。 須賀川市民文化センターのすぐ隣を流れる釈迦堂川。 その川沿いのベンチに彼女・市川法子はいた。 そよ風に揺れる木木、陽の光を浴び輝きを放ちながら優雅に流れる川…そんな風景を、突然鳴り響いた市川法子の携帯電話の着信音が打ち消した。 【着信━お母さん】 「━!」 鳴り響く携帯電話の着信表示を見て、自分の母親からだと分かった途端、市川法子は急いで留守録に切り替えた。 「ピーッという発信音の後に…」 携帯電話のガイダンスの後に母親の声が続く。 「もしもし?法子?電話に出なさい!今日も学校に行ってないの?担任の先生から電話が来たわよ。とにかく連絡よこしなさい!待ってるからね!」 と、メッセージを残して母親は携帯電話を切った。
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