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霧の立ち込める見慣れぬ森に・・・数発の銃声が響き渡った。
手には自動小銃を抱え、追って来る3つ目の獣から逃れる為に!
しばらく走ると洞窟らしきほら穴が姿を見せ、男は迷う事無くその洞窟へと飛び込み、入口に銃口を向け身構えた。
肩で息をしながら、入って来るであろう、その獣を迎え撃つべく銃を構えるのだが・・・
銃声にも臆する事の無かったその獣は、入口の手前で唸り声を上げ徘徊しているものの、中に入る事は無かったのである。
まるで、何かに怯える様に・・・
「助かったのか?」
そう呟いた男は、警戒しつつその場に座り水筒の水を含むと、喉を軽く潤した。
あれから、どれ位の時間が経ったのだろうか?
男は時計を見たが、壊れている事に気付き、再び入口に目を向けた。
獣は・・・入口を離れて居なかったのだ。
(参ったな・・・)
そんな時、
洞窟の奥から微かな風が吹き彼の頬に当ったのだ。
(奥に何かあるのか?)
そう思った男は、銃に付いてあるライトを洞窟の奥へと向け進み出したのだ。
行き止まりと思っていた洞窟。
その奥は、蜘蛛の巣がびっしりと張り巡らされ、壁の様に見えていただけで、さらに先へと続いていた・・・
彼は、ゆっくりと洞窟の奥へと歩き出した。
進むにつれ洞窟の幅は広くなり、こけの様な物がうっすらと発光し洞窟内を青白く照らし出している。
さらに進むと・・・
床が石畳へと変わり、奥に階段らしき物が見えて来たのだ。
祭壇らしき建造物も見え、警戒しつつその祭壇へと男は近づいて行く・・・
《バキッ!》
不意に足元で音がする。
視線を向けると、そこには至る所に骨が散らばっていたのだ。
人骨や獣骨らしき骨が散乱する中、祭壇へ向かうべく足を進めて行く。
そんな時、異変が起った。
不意の悪寒に振り返る!
すると、先程の骨が動き出し!無数のスケルトンとなって彼へと迫って来たのだった!
「おい、嘘だろ?」
そう言いながら男は、銃をスケルトンへ向け、躊躇う事なく引き金を引いた・・・
洞窟内に銃声が響き渡る。
発射された無数の弾丸はスケルトンに命中するも、ひるむ程度で効果は無く、次第に彼との距離を詰めて行った・・・
【89式小銃】
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