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「俺は、悪い夢でも見てるのか?」
そう呟きながら、胸のポーチに手を伸ばし、手榴弾を取り出すと口でピンを抜き、スケルトンへと投げ付ける!
爆音と共に数体のスケルトンが吹き飛んだ!
だが、飛び散った骨がまた集まり元の形へと戻って行く!
(嘘だろ!)
そう思いながら、ジリジリと登って来るスケルトンに追われ、いつしか男は祭壇の上までと追い詰められていた。
「糞っ!もう駄目なのか?」
彼はそう呟き、死と言う言葉が脳裏を過ぎる。
そんな時・・・彼の頭の中に謎の声が響いて来た。
「・・・我ヲ・・解放セヨ・・・サスレバソノ魔物ハ私ガ倒シマショウ・・・」
「誰だ!!」
男は、辺りを見渡した。
しかし、辺りには誰も居なかったのである!
だが、なぜか祭壇の中央に刺さる錆びれた剣が目が付いた。
「まさか・・・これが?」
男は一瞬引き抜くのを躊躇うも、銃を置きその剣へと手を伸ばすと、渾身の力を込め引き抜いた!
「?
思いのほか簡単に抜けたその剣は、抜けると同時に閃光を放ち白銀の剣へと姿を変る。
「?」
不思議な力が流れ込んで来るのを感じつつ、襲い掛かって来るスケルトンの斬撃を交わし、彼は無我夢中に剣を振り払う!
《ズバッ!》
切られたスケルトンは、奇声をあげながらまるで砂の様に粉々になって散っていく!
それから瞬く間に、全てのスケルトンを切り倒した男は、剣を手放すと崩れる様にその場に倒れ込んだのだった・・・
そして・・・
彼は夢を見ていた。
この世界に来る以前の夢を・・・
《バババババババババ!》
轟音と共に飛行するCH‐47Jチヌーク、その機内に彼は居た。
名を、高杉 神(タカスギジン )陸上自衛隊・中央即応集団・特殊作戦群・第2小隊所属の3等陸尉である。
2008年10月
空挺部隊からこの部隊に配属され、初のカリフォルニアでの日米合同訓練。
彼の小隊は、米軍特殊部隊に弾薬を届け、合流すべく、武器弾薬を満載し小隊長以下6名と米特殊部隊補充兵2名を載せ合流地点へ向かう途中、謎の光に飲み込まれたのだ・・・
そして、気が付いた時には1人、見知らぬ森の中へと倒れ込んでいた。
かなりの高度で後部ハッチから投げ出されたまでは覚えているのだが・・・
何故生きているのか?
ここが何処なのか?
状況も掴めぬまま、森の中を彷徨い、そしてあの3つ目の獣に遭遇したのである。
【CH-47Jチヌーク】
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