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雪菜は有名私立の翔英高校に通う高校一年生。
翔英高校は進学校な上に子息令嬢が通う金持ち学校だ。
雪菜自身はそんな学校の奨学特待生で、母子家庭の家計を守る勤勉学生というところだった。
早世した父の代わりに女手一つで育ててくれた母。
雪菜はそんな母を助けるために料理を覚えて小さな頃からご飯作りは雪菜の担当だった。
「お母さん-ご飯できたょ」
ぅ-っという唸り声を上げながら母ははって起きる。低血圧の母は朝が弱い。
「はぃ、お水」
雪菜が差し出した水をいっきに飲み干すと母はカッと目を見開く。
「ぷはー、生き返る」
「また親父みたいな飲み方して…今日は朝小テストがあるから先行くね」
「ふぁ-ぃ、ぁ-目玉焼きにお味噌汁~」
朝はたいして会話が成り立たないのはいつものことだ。
雪菜は気にせず鞄を持って玄関にでた。
「いってきまぁす」
「はぁ-ぃ、いってら…ちょっと雪菜!」
母は雪菜を呼び止めたがそこに彼女はもういなかった。
「あちゃ-…会社潰れたって言うの忘れた」
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