蛍光灯・首輪・弁当

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 さっきからピカピカと目障りな点滅が続いている。何度か消してみたりもしたが、やはり間違いないようだ。 「ちッ、めんどくせ~な」  一人暮しは非常に気楽で良いのだが、こういう時には必ず自分で外へ行かなければならないのが面倒だ。  いつもなら朝が来るのを待って、ゆっくりと買いに行くのだが、今日ばかりはそうもいかない。明日が提出期限のレポートを完成させなくてはいけないのだ。 「まあ、近くのコンビニにあるのが唯一の救いだな」  俺は一人でぶつぶつ言いながらスリッパを履き、無用心なことに玄関の鍵も掛けずに外へ出た。  近所がオフィス街であるせいだろうが、最寄りのコンビニに蛍光灯が売ってあるのは嬉しい限りだ。 「ふぁ~、眠いなぁ」  欠伸をしながら、通りの向かい側にあるコンビニを確認した。夜に外からコンビニを見ると、明かりが煌々と灯っていて、目が痛いぐらいだ。 「さて、コンビニだと高くて懐が痛いが、まあ、仕方ないな」  そんな寂しい独り言を言いながら、俺は明るい店内へと入って行った。
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