蛍光灯・首輪・弁当

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「ありがとうございました~」  俺は目的の蛍光灯と、夜食のコンビニ弁当を片手に、店員の業務的な挨拶を聞き流し、外へ出た。その時だった。 「キャン、キャン――」  店の入口からは影になっている裏手で、犬の悲鳴が聞こえてきた。俺は少し気になって覗いてみた。 「おらっ、ふざけやがって!!人の仕事を増やしてんじゃねぇよ!!クソイヌがっ」  四十代だと思われる眼鏡のやつれた店員が、闇に溶け込むような黒い犬を蹴っている。俺はそんな姿に嫌気がさした。 「おい、おっさん。何やってんの…?」  店員は俺の声を聞くと、ビクッと肩を上げ振り返った。 「なんだ?文句でもあるのか?」  振り返った店員は疲れ果てた目をして俺を睨んできた。 「だいたいこの犬が残飯を漁りやがって、俺の仕事を増やすからいけないんだ!!こんな犬、保健所に行って殺されればいいんだ!!」  四十代のいい年してこんな心の狭い男に苛々したが、取りあえず犬の様子を見てみる。 「首輪が付いてる」 「知った事か、外せば保健所の職員は気付かないんだよ!!」
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