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走り出して数分、気付いたら中庭みたいなところにいた。
あ…ここは大学だから、キャンパスっていうのかな。
「あの、そろそろ放して。」
もう我慢も限界。
壱、意味分かんないし。
「あぁ、ごめん。」
壱は意外にも簡単に手を放した。
謝るくらいなら最初からしないで欲しい。
「何でこんな所まであたしを誘拐したんですか?」
相変らずあたしは不機嫌。
「好きだから。」
そうなんだー。
………って、はぁ???
「馬鹿にしないでよ。あたしそんなに軽い女じゃないから。」
あたしはぶすっとしながらさっき来た道を戻り出した。
イラつく…、壱の軽々しさが嫌だ。
寿よりマシだと思っていた自分が恥かしい。
「心純ちゃん、信じて??俺…実は前から心純ちゃんの事知ってたんだ。」
「どーせ嘘でしょ??」
「本当。」
即答の壱。
それがあたしの気に触った。
「嘘よ。」
「本当。」
「嘘。」
「本当。」
「嘘。」
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