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ポタッ…
ポタッ……―
朝、植物から聞こえる雫の音に…耳を澄ませる。
「心純ー!!!!!」
あたしの名前を叫ぶ、澄んだ綺麗な声の方に耳を傾ける。
「瑛璃、おはよう。」
「おはよっ、やっぱ晴。晴天だね!!」
手をいーっぱいに広げて微笑む瑛璃は女のあたしから見ても、綺麗だ。
「うん、気持ちいいね。」
「流石心純のお天気予報!!!よく当たるねっ♪」
「そんな大層なものじゃないよ、空が好きなだけ。」
そう、あたしは
この自然界で一番空が好き。
だからいつも見てるうちに、変化とか…色々分かるようになった。
「でも、入学式の日が晴でよかったよね!!!!」
今日は大学、
今日から大学。
あたし達は晴れて大学生になる。
「さぁ、いこっか。」
あたしは瑛璃にそう言って歩き出した。
「どんな人がいるかな??」
ニコニコと笑って、瑛璃が呟く。
「きっと、素敵な人がいるよ。」
そして――この後、あたしの予感は当たることになる。
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