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シィアがクスクスと笑う。
こんなシィアを見るのは戦が始まって以来だった。
「まぁまぁ。
ほら、シィアも待ちくたびれちまうしさ、さっさと始めちゃいましょ」
そんなこんなで(?)シィアのトリースは始まった。
トリースによって、シィアのレイズは綺麗なアクアマリンに変わった。
「きっとシィアの綺麗な心の色なんだろうな…」
青年はシィアの胸元にあるペンダントを見、呟いた。
澄んだ、誰が見てもに綺麗な色をしている。
それこそ本人が信じられないくらいの美しさ…。
シィアがポツリと呟く。
「私は綺麗でも何でもないわ」
青年はペンダントから目を離し、うつ向いたシィアの顔を覗くように見た。
「シィアは綺麗だ」
青年は続ける。
「シィアは誰よりも綺麗だ。
じゃなきゃこの石がそんな色を示すハズがない。
レイズは…レイズの神は嘘をつかない。
それにシィアのいいところ、綺麗なところは俺がいっぱい知っている」
シィアはまだうつ向いたまま。
「それじゃダメなのよ…」
だがその声は小さすぎて青年には聞こえていなかった。
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