第一章 💠セルミア国💠

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だがロッティはそれに気付いていた。 そしてチクッと胸に針が刺さったような感覚を感じたが、特に気にしないことにした。 「今日はもう夜遅い。 出発は明日にするとして、とりあえず今日はもう寝よう」 青年が言った。 「そうだな。 魔物がでるという噂が、ウソにしろホントにしろ、夜が危ないコトには変わりないからな♪」 ロッティが事もなさげに言う。 「――じゃあこの国で過ごすのも本当に今日で最後になるのね…」 シィアは空を仰いで呟き、天の神に向かって祈りを捧げた。 空には綺麗な満月が浮かんでいた。 まるで三人を見守っているかのように、 光を放ち、輝き続けていた。
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