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だがロッティはそれに気付いていた。
そしてチクッと胸に針が刺さったような感覚を感じたが、特に気にしないことにした。
「今日はもう夜遅い。
出発は明日にするとして、とりあえず今日はもう寝よう」
青年が言った。
「そうだな。
魔物がでるという噂が、ウソにしろホントにしろ、夜が危ないコトには変わりないからな♪」
ロッティが事もなさげに言う。
「――じゃあこの国で過ごすのも本当に今日で最後になるのね…」
シィアは空を仰いで呟き、天の神に向かって祈りを捧げた。
空には綺麗な満月が浮かんでいた。
まるで三人を見守っているかのように、
光を放ち、輝き続けていた。
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