第一章 💠セルミア国💠

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「…でも…"外"…なんて……危ないわよ」 少女は当然と言えば当然な反応を見せる。 それもそうだろう。 最近では大人になった者でさえ、あまり"外"には近付かなかったのだから…。 「大丈夫だ」 青年は力強くそう言った。 「でも…"外"は魔物が出ると聞いたわ」 「そんなのウソにきまってる」 「"外"にはたくさんの毒花があるって」 「触らなければいい」 「"外"では動物達が悪戯をするの」 「相手にしなければいい」 「"外"には…」 「もういいよ」 ことごとくつっかってくるシィアの話を強引に遮ると、青年は小さく溜め息をついて尋ねた。 「シィアは俺と行くのがイヤか?」 「違う…」 シィアは小さく首を横に振った。 青年は身を乗り出して、 「だったら…!!」 しかし彼女はまたしても小さく首を振った。 「違うよ、違うの。 そうじゃなくてね……私がまだトリースを受けてない、から……」 少女は申し訳なさそうに顔を歪め、またそこに悲しそうな顔も浮かべた。
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