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龍夜の能力が使われた輪ゴムは、高速回転しながら敵に突っ込んで行く。
しかし、輪ゴムが敵を切り裂く事はなかった。
音速丸鋸は敵の体を通過して行き、後ろにあった商品の陳列棚を切り裂いた。
店内はてんやわんやの大騒ぎだ。
その騒ぎに乗じて龍夜も店をあとにした。
龍夜は誰も着けて来ていない事を確認し、家の玄関を開けた。
「ただいま………」
「お帰りなさ~~い。お兄ちゃん電球買って来てくれた?」
小宵はキッチンから顔を出した。
「…………いやっ、ホームセンターに行ったんだけど何か事件が起こったみたいで………結局、電球は買えなかった………」
龍夜は小宵に怪しまれないように、極力嘘を少なくした。
「えっ!? お兄ちゃん大丈夫だったの!?」
小宵はキッチンから出て来て、龍夜の前に立った。
「ああ………大丈夫だよ………」
龍夜は静かに答えた。
それを聞いて小宵はほっと胸を撫で下ろした。
「よかった~~~」
「………電球は明日でいいか? 今日はホームセンターに入れないだろうから………」
「うん!! 大丈夫だよ!! ………あっ!! もうすぐ晩ご飯だから、ベルさんも呼んで来てね」
「ああ、わかった………」
龍夜は2階へ昇っていった。
「ベル、魔力感知について詳しく教えてくれ」
部屋に入るなり、龍夜は切り出した。
ベルは龍夜の部屋のソファに寝っ転がってせんべいを食べながら、龍夜が小学生の頃集めていた漫画を読んでいた。
「………なんだよ薮から棒に………」
「………実はな………」
龍夜は先ほどのホームセンターの一件を話した。
「………ふ~~~ん………」
ベルは漫画を机に置くと、天井を見て唸った。
「………たぶん、そいつは人間だな………。悪魔でそんな真似が出来るのは、特別な能力を持った奴か、Bランク以上の奴だからな………」
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