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ベルはソファの上で起き上がった。
そして、机に置いた漫画に手を伸ばす。
「Bランク以上の悪魔になるとめったに人前に現れる事は無くなるんだ。お前がナイトメアを持ってる噂が広がるにしては早過ぎる。………100%とは言い切れ無いが、悪魔の可能性は低いだろうな………」
ベルは漫画を開く。
「………それより、魔力感知の事を教えてくれよ………どうしたら魔力を正確に感知出来るようになるんだ?」
龍夜はベルの手から漫画を取り上げる。
「………簡単に言うが、魔力を正確に感知するのは上級の悪魔にだって難しいんだぞ? 俺だって、だいたいの強さと位置くらいしか掴めないんだ………」
ベルは漫画を取り戻そうと手を伸ばした。
しかし、ヒラリとかわされてしまった。
「………でも、可能なんだな?」
龍夜は真剣な眼差しでベルを見つめる。
「…………魔力感知力を上げる方法は2つある………」
ベルは漫画を取り戻すのは諦めたらしい。
「1つは感知力を上げる魔道具を使う方法。しかし、この大会で人間が使える魔道具は1つまで。お前はもうナイトメアを持ってるからこの方法は無理だ………もっとも、ナイトメアを使わなくていいなら話は別だが………」
龍夜は黙っている。
それは、ナイトメアは使用するという答えの裏返しでもあった。
「………もう1つの方法は……。実戦で経験を積む方法………。実戦で敵の魔力を肌で感じる事で、魔力に対する感性を高めるんだ………。この方法は、ある程度魔力を感知する才能がないと無理だけどな」
龍夜は聞きたい事は全て聞けたので、漫画をベルに返した。
ベルは漫画を受け取ると、続きを読み出した。
ピンポーン
玄関のチャイムが鳴った。
「お兄ちゃーんっ!! 今、手が放せないからちょっと出てーっ!!」
下の階から小宵の声が聞こえた。
龍夜は階段を下りて玄関へと向かった。
ピンポーン
再び、呼び鈴が鳴る。
「今、出ます」
龍夜は玄関を開けた。
もちろん、敵の襲撃も頭に入れ、右手のナイトメアをいつでも出せるようにしていた。
ガチャッ
玄関を開くと2人の男がいた。
「速水 龍夜さんですね? 私達はこういう者です」
2人の男は黒い手帳を出す。
そこには桜の代紋が光っていた。
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