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カーバンクルは思わず頷いた。
正面から真っ向勝負! 確かに奴ははそう言った。つまり攻撃の来る方向がすでに分かっているのである。それならば全方位の結界を解除し前方へ集中させれば結界盾の強度は数倍に跳ね上がる。
カーバンクル「後は相手とのレベル差次第か。」
遠矢「もし、フェイクなら敗けだな。だが………エルシャンク師匠ならどうする? やっぱり真っ向勝負か?」
カーバンクル「遠矢のまとった空気が変わった?」
遠矢「愚問だったな。あの人なら必ず真っ向勝負だ。フッ!なら俺もあの人の弟子として同じ道を辿るのみ。時の力よ、我に未来を指し示せ! タイムリープ(未来予測)!」
遠矢が力ある言葉を紡ぐと胸のペンダントが反応を示した。
そして遠矢の意識は一瞬、数秒先の未来に跳ばされる。そこには相手から放たれた拡散された光弾が自身に迫る光景だった。
そして、意識は再び現実に引き戻される。
遠矢「クッ、見えた。だが相変わらず何て魔力消費量だ。魔力を抑制されているとは言えさすがにキツい。」
遠矢「カーバンクル! 相手は光弾を拡散させて来るぞ。対拡散モード変更を頼む。」
カーバンクルは一瞬戸惑いながら遠矢に返事をする。
カーバンクル「わっわかったよ。光弾を拡散ってことは点より面だね。なら………。」
???(何だ? 一瞬、時魔術の魔力反応が? この波動パターンはエルシャンク! まさか。確かめて見るか。)
???「貴様はエルシャンクか? なぜ、貴様からエルシャンクと似た魔力反応がする! 答えろ! お前は我が盟友エルシャンクの関係者か?」
遠矢は相手からエルシャンクの名前を聞き動揺した。
遠矢(何? こいつ、エルシャンク師匠を知っている? それに盟友だと!)
遠矢は少し考える素振りを 見せると、結界を解除した。
???「…………フッ。」
シュウ。
カーバンクル「あれ? 相手の魔力反応が消えた!」
遠矢「取り敢えず話し合いと行こうか。あんたとは敵対する意思はない。攻撃は止めてくれ。エルシャンクは俺の師匠だ。」
???「なんと、エルシャンクの弟子か。似た魔力反応を持っているわけだな。取り敢えず近くに来い!」
遠矢「わかったよ。エルシャンクの名にかけてあんたを信じよう。あんたはどうなんだ?」
???「我が盟友エルシャンクの名にかけて。」
そう言うと???が何かを念じると霧が晴れ始めた。
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