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遠矢は霧が晴れていくのを見てつぶやいた。
遠矢「結界無効化能力………か。これは実力が違いすぎたな。さて、相手と御対面と行くか。」
遠矢は結界に空いた穴に向かい足を進めた。結界の穴は丁度人一人が通れる大きさだった。
遠矢「さて、次元竜と御対面だ。」
しばらく進むと、クレーターの最新部にたどり着いた。そこで黒い壁に突き当たった。
遠矢「これは……壁? 行き止まりか?」
その時! 空間全体に大きな声が響いた。
???「良く来たな。エルシャンクの弟子よ。」
遠矢はその声に思わず上を見上げる。すると遠矢の上から巨大な漆黒のドラゴンが遠矢を見下ろしていた。
遠矢は驚きの声をあげる。
遠矢「でっ、でかい!こっ、 これがドラゴンか!」
カーバンクル「確かに………。大型の幻影獣でもここまでのはいないよ。」
???「お主、ドラゴンを見るのは初めてか? 」
遠矢「俺は現実世界の人間だからな。初めてだ。」
???「まずは名を名乗ろう!我の名は次元竜ベイルードだ。この世界には事故で来てしまったのだ。エルシャンクの弟子よ。帰る助力を要請したい。我は戦場へ帰らねばならんのだ。」
遠矢「俺の名は榊遠矢。送還師だ。まず確認したいんだが………ベイルードと言ったか? あんた、事故で来てしまったと言ったな? どう言う事だ。」
ベイルードはしばらく沈黙する………。そしてたんたんと怒りを露にしながら語り始めた。
ベイルード「あいつの……あの小娘のせいだよ! 我は次元回廊で次元を乱す敵と戦っていた!だが………敵と五分五分で渡り合っていたのだがあの小娘が横槍を入れて来たのだ。あの小娘はこともあろうに我と敵、双方に攻撃を仕掛けてきた。」
遠矢(………リティアの事だな?つまりベイルードの邪魔をした挙げ句、自身はベイルードの怒りを買いダメージをおったわけか。)
ベイルード「それで敵に不意をつかれて次元の穴に落ちてしまったのだ。あの小娘も落ちたはずだがな。」
遠矢「その娘ならさっき発見した………。」
ベイルードはその事を聞いて魔力を増大させる。
ベイルード「そうか、どこにいる? 報復をしてやる!」
遠矢(まあ、フォローする義理は無いしな。)
遠矢「わかった、わかった。だがせめて魔力封印くらいにしてやってくれ。」
ベイルードは遠矢の提案に笑みを浮かべた。
ベイルード「管理者が魔力を使えないか。面白い。
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