11人が本棚に入れています
本棚に追加
遠矢はリティアの肩にいるハクに目をやる。
ハク「………!?」
ハクは首を横に振るだけだった。
遠矢(………仕方ない。ハク、ハク! 一体何があった?)
遠矢はハクにテレパシーを試みた。
幻影獣とマスターは基本的に精神的に繋がる為、マスターが望めば離れた場所でも会話が可能なのである。
ハク(遠矢! 無事だったの? 心配したよ。)
遠矢(まあ、俺の方はなんとか。だが、リティアはどうしたんだ? この変わりようはおかしいだろ?)
ハク(たぶん呪いの類いかな? この子が受けたのは強力な魔力封じの類いだよ。でもあまりにも強力過ぎて性格が幼くなったんだと思う。)
遠矢(………ベイルードの奴。そんな強力な魔力封じを使ったのか? わかった、ハク。 しばらく普通の狐のふりをしていてくれ。)
遠矢はハクとのテレパシーを切ると目を開けた。その時間は一分ほどである。
遠矢「この子は記憶を失って俺を兄と思っている見たいです。」
リティア「遠矢? どうしたの。」
リティアは心配そうな眼差しで遠矢を見つめる。
女隊士はリティアを見つめ観察をしている。
女隊士「見た目は私達とあまり変わらない見たいね。異邦人なんて私は初めてみるから違うかと思ったわ。」
女隊士は少し何かを考える素振りを見せると遠矢に提案した。
女隊士「遠矢君、私は草薙隊長を探しに行くわ。あなたはこの子とここを動かないでね。あなたはこの事件の証言者なんだから頼んだわよ!」
女隊士はそう言うとクレーターを登り遠矢の視界から消えた。
遠矢「………証言者ね? ハク! しゃべって良いぞ。」
ハク「わかった。」
ハクは耳をピクピクさせながら遠矢に話し掛けた。
ハク「カーバンクルとキュアービーストは先に戻ったんだね。 急に消えたからびっくりしたよ。」
遠矢「すまなかったな。気絶前にお前を残して送還したんだ。魔力に余裕が無かった。」
ハク「それで送還は出来たの?」
ハクは戦いでできたクレーターを見ながらそう言った。
遠矢「………一応は成功かな? ベイルードは元の次元に帰ったよ。代償はでかかったがな。」
遠矢はハクに傷付いた破邪の剣を見せる。
ハク「ほっ、宝玉が!」
ハクは驚きの声をあげる!
ハク「信じられないよ、魔玉にヒビが入るなんて。どれだけの衝撃があればヒビが入ると言うの?」
遠矢「魔宝玉………か。
最初のコメントを投稿しよう!