異世界から来た者

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遠矢はリティアの肩にいるハクに目をやる。 ハク「………!?」 ハクは首を横に振るだけだった。 遠矢(………仕方ない。ハク、ハク! 一体何があった?) 遠矢はハクにテレパシーを試みた。 幻影獣とマスターは基本的に精神的に繋がる為、マスターが望めば離れた場所でも会話が可能なのである。 ハク(遠矢! 無事だったの? 心配したよ。) 遠矢(まあ、俺の方はなんとか。だが、リティアはどうしたんだ? この変わりようはおかしいだろ?) ハク(たぶん呪いの類いかな? この子が受けたのは強力な魔力封じの類いだよ。でもあまりにも強力過ぎて性格が幼くなったんだと思う。) 遠矢(………ベイルードの奴。そんな強力な魔力封じを使ったのか? わかった、ハク。 しばらく普通の狐のふりをしていてくれ。) 遠矢はハクとのテレパシーを切ると目を開けた。その時間は一分ほどである。 遠矢「この子は記憶を失って俺を兄と思っている見たいです。」 リティア「遠矢? どうしたの。」 リティアは心配そうな眼差しで遠矢を見つめる。 女隊士はリティアを見つめ観察をしている。 女隊士「見た目は私達とあまり変わらない見たいね。異邦人なんて私は初めてみるから違うかと思ったわ。」 女隊士は少し何かを考える素振りを見せると遠矢に提案した。 女隊士「遠矢君、私は草薙隊長を探しに行くわ。あなたはこの子とここを動かないでね。あなたはこの事件の証言者なんだから頼んだわよ!」 女隊士はそう言うとクレーターを登り遠矢の視界から消えた。 遠矢「………証言者ね? ハク! しゃべって良いぞ。」 ハク「わかった。」 ハクは耳をピクピクさせながら遠矢に話し掛けた。 ハク「カーバンクルとキュアービーストは先に戻ったんだね。 急に消えたからびっくりしたよ。」 遠矢「すまなかったな。気絶前にお前を残して送還したんだ。魔力に余裕が無かった。」 ハク「それで送還は出来たの?」 ハクは戦いでできたクレーターを見ながらそう言った。 遠矢「………一応は成功かな? ベイルードは元の次元に帰ったよ。代償はでかかったがな。」 遠矢はハクに傷付いた破邪の剣を見せる。 ハク「ほっ、宝玉が!」 ハクは驚きの声をあげる! ハク「信じられないよ、魔玉にヒビが入るなんて。どれだけの衝撃があればヒビが入ると言うの?」 遠矢「魔宝玉………か。
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