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遠矢「なんだ、リティア? このペンダントがそんなに珍しいのか? これは師匠の形見だ。やれないぞ! それに………。」
リティア「それは良いんだけどそのペンダントはどこで手に入れたの?」
遠矢はリティアの問いにリティアに話すか迷ったが話す事にした。
遠矢「このペンダントは師匠エルシャンクの形見だ。師匠は破邪の剣とペンダントを置いて俺の前から去った。八年前の話だ。そして去り際にペンダントをはなみ離さず守るように言われた。それだけだ。」
リティア(エルシャンクの残した遺産………か。本物かしら。)
遠矢は不意に立ち上がるとリティアに声をかけた。
遠矢「リティア! 離脱するぞ。」
リティアは遠矢の言葉に戸惑いを感じた。
リティア「えっ? 待ってなくていいの? 」
遠矢「律儀に待つ奴はいない。それにお前が異邦人ってわかるとまずいからな。とりあえずセーフティポイントまで離脱するぞ。」
リティアは遠矢の言葉に従うしかなかった。自分はまだこの世界の事は何もわからないのである。
リティア「それでどこに行くの?」
遠矢「まあ、借りは作りたくないんだけどな。」
遠矢はポケットから通信機を取り出しスイッチを入れた。
ザーッ。
遠矢「こちら、コード、ミスリル3、応答願います。」
通信機「ザーッ。 こちら、コード、プリンセス。何かありましたか、ミスリル3?」
遠矢「姫か。少し、厄介事が起きた。異邦人の少女を保護した。ただ、他の白銀の隊に見つかると面倒なんだ。秘密利に保護を頼む。事情は後で話す。頼めるか?」
姫「分かりました。遠矢、あなたには借りがありますし何とかしましょう。今からゲートを開きます。待っててください。」
遠矢「姫、感謝する。」
姫「後で私の元へ出頭はしてくださいね。」
ブツッ。ザーッザーッザーッ。
遠矢は通信機を切ると安堵した。
遠矢「やれやれ、借りが出来ちまったな。リティア! 間もなくゲートが開く! 離脱するぞ。」
リティア「えっ? ゲート? それは一体………?」
リティアは遠矢にゲートが開くと言われ少し唖然とした。リティアの断片的な記憶では転移ゲートは簡単に開けるものではないからである。
しばらくして空から光の柱が立ち登った。
遠矢「これがゲートだ。」
遠矢は光の柱に目をやりリティアに説明する。
リティア「………光の柱?」
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