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「ほころび………ですか?」
草薙「ああ、古代に作られた結界らしいんでな、年月による限界が近づいていると言う話もあるがな。何でも俺達のいるこの神社は5つの結界ポイントの一つらしいぞ。」
俺が先輩と話をしていると二人の男が走って近づいて来る。
男1「隊長~! ただいま戻りました。」
草薙「ご苦労。で何か異変は有ったか? 」
男は首を横に振り報告を始めた。
男1「隊長!結界ポイントは特に異変は見つかりませんでした。しかし、一つ気になる事があります。」
草薙は隊員の言葉に耳を傾ける。
草薙「気になる事だと? ふむ、詳しい話はあの二人が戻ってからにするか。お前たちは少し休んでいろ!」
男2「分かりました。少し失礼します。」
二人は木の下に移動を始めた。
「気になる事………何でしょうか? 隊長。」
草薙「………それにしても遅い。」
「はっ? 何が遅いんですか?」
草薙は辺りを見渡しながら長刀に手をかける。
草薙「田中副隊長と山本隊員の事だ! 遅すぎるとは思わんか?」
草薙隊長は時間にうるさいのは隊の間では有名で俺達の間では五分前集合が当たり前である。それを分かっている二人が戻って来ないとなると何かあったのだろう。
「隊長! 許可をいただけるなら俺が見てきますが………。」
俺がそう言うと草薙隊長は少し考えて頷いた。
草薙「分かった。許可する。頼んだぞ。」
その時! 異変が起こった。
草薙「何だ? この気配は! 遠矢! あれを見ろ!」
俺は隊長の示した方向を見る! するとあの二人の向かった場所に巨大な漆黒の柱が現れ空を貫いていた。
遠矢「なっ! あれはゲート? それも最大級の! 」
遠矢(やはり、次元に異変が起きているみたいだな。)
草薙「遠矢!あの場所へ 行くぞ! 」
「隊長、待ってください。この人数では危険です! 援軍を!」
草薙「遠矢? 何を言っている? 一刻を争うんだぞ!」
二人が話している間にも漆黒の柱は広がり始める。
「俺が先行します。ですので隊長は本部に応援をお願いします。」
俺は悟っていた。これだけのゲートが開いたのだ。現れたのは並みのあやかしではないはず。
草薙「………分かった。だが無理はするなよ。」
隊長は真剣な眼差しで俺を見つめる。
「大丈夫ですよ。あの二人を見つけたらすぐに離脱するつもりですから。」
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