異世界から来た者

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リティア「だが奴は、奴だけは駄目だ。奴の名は次元竜………。次元世界を唯一、次元門を使用せず移動する事ができる高位の存在! 勝てるわけが無い。」 遠矢(次元竜………ね。時の管理者と敵対でもしているのか? まあ良い。会えば分かるか。それに………。) 遠矢は傷の治療中のリティアを見る。 遠矢(こいつなら、あの人の事を知っているかも知れないからな。) 遠矢「じゃあ、俺は行く。そこから動くなよ?」 リティアは癒しの光に包まれながらうなずいた。 リティア「わかっている。ここから動かんよ。それに私は恩を受けたら返すのがポリシーだ。信条は恨みも恩も倍返し。覚えておけ。フフフ。」 遠矢「上出来だ。カーバンクル行くぞ!」 カーバンクルは遠矢の肩に飛び乗ると赤い第三の瞳を赤く輝かせた。 カーバンクル「私の探索能力はあまり高くないけどあれだけ強大なあやかしならすぐに場所は特定出来るよ!」 遠矢はカーバンクルの頭を撫でるとカーバンクルの示す方向へ向かった。 遠矢「…………何だ? この威圧感は…………。カーバンクル! この方向なのか?」 カーバンクルは第三の瞳を赤く揺らしてうなずいた。配…………間違いなくAAAクラス以上だね。」 カーバンクルは冷や汗をかいた。 遠矢(…………近い? これはあれの出番かもな。) 遠矢は無意識に背中の剣の柄を握りしめた。 俺の背中の剣は師匠から餞別にもらった物で名を白銀の太刀と言い破邪の力を秘めた破邪剣である。 カーバンクル「そう言えば遠矢ってさ。何かを決意した時なんかよく剣の柄を触るよね。癖なの?」 遠矢は少し驚いた。カーバンクルが自分の無意識の癖を見抜いていたのだ。 遠矢「願掛けのようなものさ。ある人に餞別でもらった、宝物何でな。さっき、リティアが時の管理者と言っていただろ?」 カーバンクルは素直にうなずく。 遠矢「今、思えばおれの師匠も時の管理者の一人だったと思う。あのときはまだまだ子供だったからあまり意味はわからなかったがな。」 カーバンクル「そうなんだ。」 遠矢「どうした、カーバンクル? 不思議そうな顔をして。」 カーバンクル(遠矢って師匠の話になると感じが変わるんだよね。何て言うんだろ? 分かんないや。) カーバンクルはまだ人の感情と言うものがまだよくわからなかった。
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