生まれて初めて、愛し。

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生まれて初めて、愛し。

羽根より軽い貴方、鎖で私を締め付ける 今にでも駆け出して追い掛けたいというのに 脳内侵食、犯される 小さな隠し事が積み上がり 隠せない嘘になる 冷静に大人は終を突き付けた 従うしか道が無いのは理解ってる 貴方は今までに無く、微笑んだ 本気で別れが辛いと 思った事など無かった 本気で貴方が愛しいと 心の底から溢れ出した 本気で大人が憎いと そう思ったのは初めてだった 後悔だけが渦を巻く 流れる涙は貴方の傍へ 未だその瞳には私が居ますか? 未だ貴方に私は生きてますか? 羽根よりも軽い貴方 嗚呼、鎖の擦れる音が五月蝿い 手を伸ばせば掴めそうな距離なのに それすら赦されない私は。 せめて貴方、涙を見せて 大声で名前を呼んで そしたら、どんな罰でも受け入れるから 幾億の昼と夜を越えようと私は何時までも。
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