美形の母と異形の子

1/1
前へ
/13ページ
次へ

美形の母と異形の子

枯れ果てた大地の上で繰り返される輪廻 愛しい愛しい我が君よ、現世は何処へ 羽根のように舞い上がり、片翼をはばたかせる 遥か頭上からならば、変体わった君を見付けられよう 片隅に渦巻く記憶こそが頼り 刻み付けられた、真昼に浮かぶ満月は 全てを知り尽くし、嘲笑うかの如し 愚かだと、笑われても、逢いたいと想う 手を伸ばして、つかみ取った星屑を、全て君に捧げよう 巡り行く此の命。 例え風になろうとも必ず君を見付けてみせる 止まること無き吐息に名前を乗せて 「またここであいましょう」 期待なんてしてないわ、奇形のみ落とし生む 貴方は瞳を濁らせて、呼んではならない名前を奏でる 遮断してしまいましょう 「さようなら」
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加