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朝、自然と目が覚めた。時計を見るともう午前十時を過ぎている。
俺は布団から出ると、台所に向かい適当にカップラーメンを選ぶ。そして鍋に水を入れお湯を沸かした。
お湯を沸かしている間に、なんとなく母親の部屋へ行ってみる。
部屋の襖の隙間から見える光景。母親はベッドの上に義父親と一緒に寝ていた。
肩が丸出し。鎖骨のラインが見える。母親は十中八九全裸であろう。そして隣で間抜け面を浮かべたまま寝ている男。そいつもまた上半身が裸だ。
その男。いちおう、今の俺の義父親だ。
実際、義父親なんて思っていないけどな。ただの知らない男だ。
そんなのを義父親としていちいち数えているようじゃ、俺には一体何人義父親がいたかなんて分からない。
いつからこうなった? 昔、母親と二人でも楽しかった生活。互いのすれ違いによって、ここまで歪んだ……
本当は義父親なんていらない。どいつもこいつもくそったれの変態親父だ。
俺は小さな声で
「死ねよ」
と零すと、踵を返し台所へと戻っていった。
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