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カップラーメンにお湯を入れた後、俺はなんとなくテレビをつける。
どのチャンネルに回しても、心底楽しいなんて思えるような番組は入っていない。
そんなテレビを見ながら、俺は母親が連れてきた男の煙草に火をつけた。
煙を吸う。肺の辺りがグッとくる感覚。そして飲み込んだ煙を吐く。
最初に吸った時は興味本意だった。小学五年の時だ。
それから吸っていくうちに、いつの間にか身体が煙草を求め始めた。
小さな時から煙草を吸ってるんだ。大人になって何年かすると癌になって、あっけなく死んでくんだろう。
俺の将来なんてそんな物でいいと本気で考えている。
よく教師が言うだろ?
「お前らは、無限の可能性を持っているんだ。努力次第でなんだって出来る輝かしい未来が待ってる」
まるで教師のマニュアル。そんな言葉は俺から言わせれば
「戯言」
この一言に集約されるだろう。
努力次第?
そんなの嘘っぱちだ。
人間産まれた時から決まってんだ。
肌の色や人種。これによる差別は今でも残っている。差別だけじゃない。
金持ちの奴、貧乏な奴。美形な奴、不細工な奴。運動神経が抜群の奴、まったくない奴。頭のいい奴、悪い奴。みんな産まれた時から決まってるようなもんだろ?
平等? ふざけんな。ただの世迷い言だ。平等なんか存在しない。
存在するなら教えて欲しいね。この世界のどこが平等か? って。
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