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放課後
制服のまま俺は街中を歩いていた。俺が住んでいる県は東京に近く、結構な都会だ。
情報だとかそんな物には一切困らない。そんな街を歩いてるとやっぱり世の中腐ってると思う。
少し路上裏に行けば稀に薬の売買をしてる奴らがいる。カツアゲなんかも珍しくない。
目と目が合えばその時点で勝手に喧嘩を成立させるバカもいるわで、ほんとにくだらない。
それに制服を着てるってのに、風俗に誘おうとする東南アジア系の女。
駅前に行けば高校生どころか、俺と同じ中学生までもが携帯を片手に出会い系サイトで知り合った男と待ち合わせをしている。
そして誰か釣れれば晩飯でもごちそうになって、そのままホテルに行ってSEXでもするんだろう。完全に小遣い稼ぎ感覚だ。
きっと女は金をもらったら、ルイヴィトンやらグッチやらティファニーのバック、財布。それを友達に自慢して……
本当にヘドが出る。
どこだって腐ってる。くだらねー奴ばっかのこの世界で、どこに希望を見い出せと?
特にこの街は行き交う人以上に金と欲望が行き交っている。
駅で、ハゲおやじと腕を組んで歩く女子高生を俺は見た。
純愛?
欲しい物を手に入れるために簡単に身体を売る奴が言う権利は絶対にない。
だが、そんな奴ほど大腕振って
「恋したい!」
なんて言うからますますヘドが出る。
そんなことを考えている時、俺は不意に後ろから声を掛けられた。
「純也か?」
そう言われて後ろを振り向くと、一個歳上の先輩がいた。
中学を卒業すると同時に暴走族に入った奴だった。
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