亡虚の神に捧げし薔薇を。

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朝摘みの真白い薔薇は 露に濡れ私の手を静かに濡らすの とても綺麗な宝石のような 澄んだ光を放ちながら 夕摘みの真白い薔薇は 赤く紅く私の色に染まっているの とても綺麗な血液のような 深紅の色に染まっているわ 私はどちらを捧げましょう 存在しない空虚な神に 私はどちらを捧げましょう 露と血に濡れた足元のレースを手操り寄せながら、 私は居もしない神に祈るわ 露と血に濡れた二輪の薔薇を捧げながら祈るわ。 少女のままで死なせて下さいと。 .
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