バッテリー(豪巧)

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    巧はふと顔を上げる。   そこには青い空が広がっている。   今は 春の終わりを告げて 夏の始まりを感じさせる そんな風の吹く時期だ。   巧は目をつむりその風をうける。   ざわざわと梅の葉が鳴く。     「兄ちゃん」   「…何だよ。」     巧は目を開けて声をかけてきた青波を見る。     「兄ちゃん今梅の木とお話ししよったじゃろ?」   「…」    
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