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妙に棘のある言い方に聞こえ、オリビアは思わず耳を疑う。 ルルビア王女の婚約者候補のヴァン・ヘルシュタインと言えば温和で優しいと町の人々にも好かれている侯爵家の跡取り息子。 そんなヘルシュタインが何故?私何かした?! と疑問を持ちながらも、ようやく出した声は予想以上に小さくて。 「そんなこと…」 「何にせよ、お元気そうで」 オリビアを眉1つ動かさず見下ろしていたヘルシュタインは、オリビアの手をとり微かに口づけを落とす。 そして、軽く会釈をすれば去っていった。 あっという間の出来事。オリビアの頭がついてくのには時間がかかった。 頭に残るのは冷たい金の瞳。
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