ライバルは…?!

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美羽は航生の手を握ると、 「間違いに気付いたら、直すだけだっておばあちゃんが言ってた。大事なのは間違えた後、だよね」 と伝えた。 航生はフッと微笑むと、 「そうだな」 と美羽を見つめた。 「もう間違わないよ」 と言葉を付け加え、美羽の頬に手を置いた。 「待って、航生くん」 顔が近づくのを感じた美羽は航生を制した。 「ん?」 「もしもね、この赤ちゃんが、ほくろの位置は違うけど航生くんの子供だったらどうするの?」 美羽の質問に、航生はまばたきを2、3度すると、 「その時は、考えるよ」 と微笑んだ。 「考える、って何を?」 美羽は不安になった。 もし、航生と付き合った後に、早紀さんがそう言いだしたら…と考えて。 航生はやさしく微笑み、 「美羽も早紀も、赤ちゃんも…俺も、幸せになれる道を」 と伝えた。 …そっか。 その時に考えればいいんだ。 あるかないか分からない事を不安がってても仕方ない。 その時に、また立ち止まって自分達でベストな答えを見つければいいんだ―― 美羽の体は航生の腕の中にやっと落ち着けた。 「美羽…」 「航生くん…」 2人は見つめ合い、どちらともなく口付けを交わした。 悲しみを塗り替えるようなやさしいキスに、美羽の心は幸せでいっぱいになった。
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