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「さては告白して振られたんだろ?」
ニヤリと良は笑い、美羽の返事を待った。
「うるさいよバカ」
なんで分かんのよ、と美羽は思い、舌を出した。
「マジで?なんで断られたの?」
良が興奮して身を乗り出した。
こいつ…人の不幸を喜んでいるな。
『不幸の手紙』(古)を送ってやろうかと美羽は陰気なことを考え始めた。
「良に関係ないじゃん」
プイッとそっぽを向いて紙パックのジュースを美羽がすすっていると、驚く言葉を良に言われた。
「関係あるよ」
何で?と言い返そうとした美羽は良に目線だけを向けると、真剣な表情を見て、口をつぐんだ。
「俺…」
「好きだから」
衝撃的な発言に、美羽は飲んでいた野菜ジュースを危うく吹き出しそうになった。
気分は喉に豆をつまらせたサザエさんのようだ。
というか少しつまらせた、のではなく吹き出した為、口から出たジュースを手で必死に拭いて良の方を見た。
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