342人が本棚に入れています
本棚に追加
「美羽、ごめんな。また辛い思いさせて…すぐに気付けなくて…」
航生もしゃがみ込み、美羽の頭を撫でた。
「…こ…きくん」
美羽は笑顔を作れず、とめどなく流れる涙を指で拭った。
ダメ、泣いてる場合じゃないよ。
美羽は勇気を振り絞り、震える手で航生に“木村早紀”からの手紙を渡した。
そして、木村早紀と赤ちゃんの写真が載っているホームページのサイトを開き、赤ちゃんの腕にある3つ並んだほくろの話をした。
航生は手紙とホームページを見ると呆然としていた。
それもそうだろう。
別れた彼女に自分の子供が居たなんて、夢にも思って居なかっただろう、と美羽は思い、画面に釘付けになる航生の姿を見ていた。
「……」
「……」
やっぱり航生くんの子供なんだ。
画面を見て固まる航生を見て美羽は確信した。
もう、これで私の恋は終わりなんだ…
最初のコメントを投稿しよう!