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さて。
この物語の『始まり』には理由があった。
あった、と思う。
……まぁ、自分は完全に『巻き込まれた』側の人間なので、
俺個人に関して言えば大した理由は持ち合わせてはいない。
でも、
少なくとも『彼ら』の思惑やら動機やらには筋が通っていたし、
或いはその中には同情や感傷の及ぶものもあった。
「くだらない」と笑い飛ばせぬものがあった。
とにかく重要なのは、
それが『彼ら』にとって決して譲ることの出来ないモノだった、ってコトだ。
だからこそ。
彼らの願いは暴走し、
彼らの思いは錯綜し、
彼らの望みは衝突した。
馬鹿馬鹿しいほど滑稽に、
馬鹿馬鹿しいほど真剣に。
言うなれば、これは白昼夢みたいなものだったのかもしれない。
互いに火花を散らす、
放課後の空想。
───だが、
それが現実を変えられないなんて、いったい誰が決めたんだ?
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