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「ほう?エドワードの足が止まっただと?」
連邦軍マイセン大将は伝令からの報告を意外だと言わんばかりの顔で聞いていた。
「はっ、エドワード閣下からは『我、単独で突入したき所、通信・索敵の障害が生じており罠と知りつつの突入は無謀と判断せり。ついては貴艦隊と合流の後に突入作戦を継続する』との伝言を受けております」
「・・・なるほど。エドワードも少しは遠くが見えるようになったようだな。つい先日まではただの猪突家でしか無かったが」
マイセンが頷きながら感想を述べる。エドワードは熱くなると極度の近視眼となる傾向にあり、今回も悪い癖が出たと苦々しく思っていた矢先の減速である。彼だけでは無く、この行動にはエドワードの幕僚達も含めた誰もが意外と感じていたのだ。
「まぁ、アキレスを支援に向かわせて正解だったようだな。彼の堅実な用兵ぶりを見てエドワードも良い方向に考えを切り替えたのだろう。さて、それでは早く合流しようか。全艦増速せよ!!」
マイセンの命令する声が高らかに響く。
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