強襲 Ⅲ

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ドォオオオーン!! 「長官!宇宙軍港が!!」 軍港へのミサイル攻撃の様子は宇宙艦隊司令部でも捕捉していた。いや、時をほぼ同じくして民間宇宙港も同様に攻撃を受けた事も。シルバラード以下、司令部要員はファルコンからの超高速攻撃にたいして何の対応も出来ず、ただ茫然と見ているしかなかったのだ。 「ひ、被害報告!!」 「軍港内の艦隊は無事なのか!?」 我に返った宇宙艦隊司令部のクルー達は慌てて被害状況の確認をしようとする。宇宙軍港からの回答は彼らを茫然自失とさせるに十分な内容であった。ファルコンの放った2発のミサイルは極めて深刻な損害をもたらしていた。 爆発したミサイルは無数の弾子を吐き出した。しかも、ファルコン自体の航行速度も加わった速度がもたらすエネルギーの相乗効果によってその威力は絶大だった。出港中の艦隊は大損害を出して港内を漂い、港湾設備も概ね全壊に近い。軍港全体を覆う外殻には数えきれないほどの亀裂が生じ、そこからは紅蓮の炎が噴き出していたのだ。 「なんという事だ・・・」 シルバラードが火だるまと化した軍港を見ながら呆けた表情で呟いた。
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