強襲 Ⅲ

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「・・・長官、軍港が民間港もろとも爆発しました」 ブルックスが真っ青な顔で状況をシルバラードに告げた。宇宙艦隊司令部の巨大モニターには紅蓮の炎に包まれた軍港と民間港の様子が映し出されていた。 がくっとうなだれた者、涙を流す者、怒りに肩を震わせる者と様々な姿を見せる部下達を尻目にシルバラードは眼前の光景に無言で敬礼をしていた。 「・・・」 そしてゆっくりと右手を下ろすと、 「まだだ!気を落とすのは敵を撃退してからにせよ!!」 部下達が一斉にシルバラードを見る。続けて、 「かくなる上は本星の守護に全力を挙げる。おいっ!帝都防衛本部にいるホーウッドを呼び出せ!!それから第1艦隊は敵大型戦艦の追跡を中止し、本星の護りに就かせよ!」 「長官、それでは敵戦艦は・・・」 「そんな物は捨て置け!奴は各星系の駐留艦隊に対処させろ!!」 ブルックスの問いにシルバラードが吠えた。
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