強襲 Ⅲ

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宇宙軍港と民間港の爆発は周辺宙域を昼間のように照らし出す。 「艇長、あれを!」 「おおっ!やったな!!」 ダルキュア本星に向かうファルコン1番艇では歓喜の声が上がった。爆発によって生じた閃光は徐々に納まろうとしている。 「よし、あとは俺達だな。皇帝さんの宮殿とやらにミサイルをぶち込めば任務完了だ。目標の特定はまだか!?」 「はっ、進入位置が悪かったようです。反対側の大陸上空まで移動します」 「わかった。このまま衛星軌道上を航行し、目標上空付近で大気圏降下を開始する。良いな?」 「了解です。このまま衛星軌道を航行します」 艇長の命令に副操縦士が復唱してファルコンを翻す。一方、宇宙港を破壊された帝国軍だが、ファルコンの本星攻撃に対して黙って手を拱いて見ている訳は当然無かった。 「これ以上、奴らの好きにはさせん。ミサイル攻撃を敵巨大戦艦から戦闘艇に切り換えろ!!」 帝都防衛本部で指揮をとるホーウッドが厳しい表情で命令した。
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