強襲 Ⅲ

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「はっ、切り替えます」 オペレータがカタカタとコンソールを操作し、惑星リンゲル周辺の解析図をメインモニターに映し出す。 「ふむ・・・輪陣形のようだな」 顎に手を当てたままレナードが呟く。 「はい。中央にいるのは反応から見て恐らく巡航艦でしょう。あと、こいつの脇に小さな反応があります」 「輪陣形の規模と言い、この艦隊は小さな反応に対する護衛だろうな。と言う事は・・・」 レナードがモニターから状況を考察していると副官が口を挟む。 「艦長、いかが致しますか?」 自分の考えをまとめ切っていない状態で口を出されたレナードは少々不機嫌そうな顔で、 「副長、どうするもこうするも、ファルコンを回収しない事にはどうしようもないではないか。貴官はその程度の事も分からんのか?」 「は、はっ・・・申し訳ありません」 ギロリと睨みながら答える。レナードの副官は上官に対する畏怖の目を持って返事をした。
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