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「統合作戦本部長、これは一体どういう事かね?」
銀河連邦の首都はメカリア星系にある惑星ボルトスの衛生軌道上に人工的に作られた都市衛星にある。本星は人間の手による乱開発と環境破壊。そして核戦争による大気汚染により500年以上も前に事実上放棄されていた。
都市衛星には銀河連邦の政治・軍事の中枢が集約されており、そこに勤める者とその家族を中心に数千万人が住み、政務に関わる連邦議会議事堂や官庁、軍事の心臓部である統合作戦本部や各軍司令部ならびに軍事施設、港湾設備がひしめく様に林立し、銀河連邦の中心たる威容を放っていた。
「連邦議長、どういう事とは何かありましたかな?」
連邦議会議事堂の一室、国家元首である連邦議長エドモントが軍の責任者であるロンバルク元帥を呼んで問い詰めていた。
「どうしたもこうしたも無い。現在行われている帝国とのの戦いについて、どう見ても我が軍が劣勢である。損害が多すぎるとの声が日増しに大きくなっておる。本部長はどう考えるのかね?」
厳しい表情のエドモントに対し、ロンバルクは極めて平静を装っている。その様子に彼はいささか苛立ちを覚えていた。
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