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「議長、そう目くじらを立てる事もありますまい。また血圧が上がりますぞ」
「本部長、私の体調などこの際関係無い!とにかく戦況が芳しく無いのは周知の事実。本部長はこの先の展開を考えておるのかね?」
あくまでも余裕を見せるロンバルクにエドモントが語気を荒げた。
「本部長、議長の言い分は尤もですな。いたずらに犠牲が増えては今の戦費は勿論、軍を再建する為に必要な莫大な費用。いや、それだけでは無い。戦死傷者やその家族に支払う年金や恩給も馬鹿にはならん。私は軍事に関しては素人だが、もう少し経済的に戦ってくれると有難いのですが」
エドモントの傍らに座る中肉中背の男が口を挟む。すると、
「財務長官、無茶はおっしゃらないでいただきたい。戦いには『機』という物がある。金を気にするが余り、それを逸しては勝てるものも勝てなくなる。ひいては長官のお嫌いな出費が増えるという訳です。おわかりですかな?」
ロンバルクがすこし皮肉交じりに言う。財務長官は何か言いたげな表情だが、それを堪えて黙り込む。今度はブルメナウがその様子を見ながら口を開いた。
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