失策

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「そうか。本部長の秘策とやらを信じるしかあるまいな・・・わかった、今は何も言うまい。だが本部長、敗北は許されん。よろしいな?」 エドモントの念押しにロンバルクは立ち上がって敬礼し、ブルメナウを連れてその部屋を退出して行った。 「議長・・・よろしいので?」 「財務長官、いけ好かん奴ではあるが、ロンバルク本部長は連邦軍随一の戦略家だ。今は彼の言う事を信じるしかあるまい」 2人が退出した部屋ではエドモントと財務長官が深く溜息をついていた。一方、退出したロンバルクとブルメナウはと言うと、 「本部長、議長は何を言わんとしているのでしょう?」 「ん?簡単な事だ。来年は連邦議会選挙があるからな。今は与野党の勢力が拮抗しているから、戦果次第では逆転なんて話もあり得る。予算にかこつけて釘を刺したかったんだろう」 「いらぬ老婆心、議長も大変ですな」 「ふん。所詮、政治家なんてそんなものだ」 廊下で嘲笑しながら2人は歩いて行く。
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